「上限の倍の報酬得た」 河井案里議員の運動員が説明
自民党の河井克行前法相の妻で同党の河井案里参院議員の昨年7月の参院選を巡り、選挙カーでアナウンスする車上運動員十数人に対し上限を超える金額が支払われた疑惑で、広島地検は15日、広島市にある夫妻の地元事務所や案里氏の秘書の自宅を公職選挙法違反の疑いで家宅捜索した。
関係者によると、一部の車上運動員が1万5千円の上限額の倍額に当たる3万円を受け取ったと、地検の任意聴取に説明している。案里氏の秘書が違法報酬の支払いに関わったとみられる。地検は立件に向け押収資料を分析し、夫妻の関与も慎重に調べるもようだ。
車上運動員の疑惑以外に、案里氏が支部長を務める自民党支部が、陣営の一員として選挙運動をした男性会社員に対し、約86万円を支払った疑惑もある。
参院選の広島選挙区(改選数2)では、自民党が現職だった岸田派重鎮の溝手顕正元国家公安委員長と、案里氏の2人を擁立。野党系無所属現職を含む激戦となり、溝手氏が落選した。〔共同〕