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大阪・船場は箕面にも 繊維の街、地名ごと移転

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「船場ってどこ?」。こう聞かれると、大阪市中央区の「船場センタービル」を思い浮かべる人が多いかもしれないが、大阪府箕面市にも「船場」と呼ばれる地域が存在する。中央区の船場と同様、繊維の街として発展したこの街は、時代が進むにつれて様変わりした。過去と現在、そして未来はどうなるのか。街を歩き働く人に聞いた。

北大阪急行線の終点、千里中央駅(大阪府豊中市)から北上すること約1.5キロメートル、新御堂筋を東西に挟むように「大阪船場繊維卸商団地」がある。団地内にはカーテンや衣服を飾ったショーウインドーが散見され、物流のトラックが行き交う。繊維関係の業者は多いようだ。ただ、「船場センタービル」には小売店舗も多く、一般客も訪れるのに対し、箕面船場は卸業者が中心。日中の人通りは少なく、どこか寂れた印象だ。

この街に「船場」という地名ができたきっかけは、大阪船場繊維卸商団地協同組合の設立総会が開かれた1963年に遡る。同組合の古山恭平総務部長によると「箕面船場のルーツは、繊維卸商が集まる、大阪市中央区の船場地区にある」。高度経済成長に沸いた60年代、船場地区では荷下ろしするトラックによる渋滞が問題になっていた。そこで、繊維卸商が集団で移転する案が持ち上がり、地名を引き継いだまま移転した先が現在の箕面市船場地区だった。

竹林を切り開いて確保した移転先の周辺は当時、70年の大阪万博に向けて道路の整備が進み、大阪国際(伊丹)空港や新大阪駅にもアクセスしやすかった。67年に造成が始まり、70年に街開きが行われた。開発時の面積は約73万平方メートルで、78年までに約220社が進出・移転した。

繊維卸業者が集まる商業団地として街は発展した。千里中央駅では商業団地に向かうバスに長蛇の列ができ、繊維関係の業者や物流倉庫で働く人々で活気にあふれていた。しかし、繊維業界を取り巻く逆風が街の風景を次第に変えていったという。

同組合の俣野富美雄理事長は、63年にタオル業者の日繊商工に入社して以降、長年繊維業界に携わってきた。俣野理事長は「バブル崩壊や、中国などからの安価な繊維製品の流入で繊維業者の業績が悪化し、箕面船場にとって難しい時代になった」と話す。

現在の加盟社数は117社とおよそ半減。平日の昼間でもシャッターを下ろしたままの会社が目に付き、撤退した繊維業者の跡地には大きなパチンコ店が3店。繊維一色だった街並みが変わりつつある様子がうかがえる。約35年前から箕面船場で働く男性(66)は「一緒に働いてきた仲間がどんどん減ってきた。このまま街が廃れていくのは悲しい」と声を落とす。

そんな街の活気を取り戻す起爆剤と期待されるのが、北大阪急行線の延伸だ。2023年度に現在の終点の千里中央駅から北へ約2.5キロメートル延伸し、箕面船場には「箕面船場阪大前駅」が新設される。また、現在市内の別の場所にある大阪大箕面キャンパスが、21年度に同駅に隣接する場所に移転する計画もある。

今の箕面船場を歩くと、新駅の開業予定地周辺では大規模な工事が行われている。駅の新設に向けてマンションが数多く建設され、新キャンパスに加えて市民ホールや図書館も建設されるという。同地区の倉庫業者で働く男性(46)は「街に活気が出るのはうれしい。人が増えれば飲食店などもできて働きやすい環境になるはず」と期待する。

俣野理事長は「新駅の完成で若者や家族連れが増えれば、街が変わる大きなきっかけになる。繊維の街として発展してきた箕面船場の歴史は残しつつ、いろいろな世代の人が集まるような街を作りたい」と話す。箕面船場は今後どのように発展していくのか、目が離せなさそうだ。

(玉岡宏隆)

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