中東情勢を協議、日米外相 日米韓は北朝鮮で意見交換
【シリコンバレー=宮坂正太郎】訪米中の茂木敏充外相は14日昼(日本時間15日朝)、シリコンバレーでポンペオ米国務長官と会談した。米イランの対立が続く中東情勢を中心に意見交換し、緊張緩和の重要性を確かめたとみられる。14日午前には韓国の康京和(カン・ギョンファ)外相を交えた日米韓外相会談も開き、北朝鮮情勢について方針をすりあわせた。
茂木外相は一連の会談に先立ち、シリコンバレーで記者団に「緊迫している北朝鮮、中東の情勢について日米、日米韓で対応をしっかりすりあわせ、連携をしっかり確認したい」と述べた。
茂木氏とポンペオ氏の外相会談は2019年9月にニューヨークで開いて以来2回目だ。昨秋以降に日程を日米両国で検討し、ポンペオ氏のカリフォルニア州訪問にあわせて調整した。
中東を巡っては、年明けから米軍がイランの革命防衛隊司令官を殺害し、イラン側はイラクの米軍駐留基地にミサイル攻撃した。武力衝突はひとまず沈静化したが、不測の事態が起きる懸念は残る。日本政府関係者は「中東情勢は今回の会談の大きな議題に浮上した。閣僚級で自由に意見交換する」と話す。
茂木氏は会談で米国のイランに対する自制的な対応を評価し、イランを含む関係国と外交努力を続ける日本の立場について話したもようだ。民間船舶の安全確保のための自衛隊の中東派遣も念頭に、日米が情報共有などで連携する方針も確認したとみられる。
日米韓3カ国の外相会談は19年9月の茂木氏の外相就任後初めて。北朝鮮情勢について話し合う場と位置付け、ミサイル発射など挑発行動を繰り返す北朝鮮を日米韓の結束を示すことでけん制した。非核化に向けて米朝プロセスを後押しすることでも一致したとみられる。
日米外相会談でも北朝鮮は主要議題となったもようだ。日米は北朝鮮による新たな挑発行動の示唆を受け、様々な事態を想定しながら対処方針をすりあわせてきた。日本には日本人拉致を含む北朝鮮問題への米国の関心を改めて喚起する狙いもある。
茂木外相は14日午後に康氏との日韓外相会談にも臨んだ。韓国側に元徴用工問題に関して、韓国側の責任で解決策を示すよう促すとみられる。日本による韓国向けの輸出管理厳格化についても議題になる可能性がある。
茂木氏の外相就任後、日韓外相は19年9月のニューヨーク、11月の名古屋、12月の中国・成都と会談を重ねてきた。12月24日に約1年3カ月ぶりに開いた首脳会談では、元徴用工問題で外交当局間の協議を続けると確かめている。
金正恩(キム・ジョンウン)総書記のもと、ミサイル発射や核開発などをすすめる北朝鮮。日本・アメリカ・韓国との対立など北朝鮮問題に関する最新のニュースをお届けします。