映画2社の業績好調 東宝と松竹の純利益増加
映画2社の業績が好調だ。東宝と松竹が14日発表した2019年3~11月期の連結決算は、ともに純利益が2桁の伸びになった。東宝は「天気の子」や「名探偵コナン」などヒット作が相次いだ。松竹もマンガを原作とした「ザ・ファブル」の興行収入が伸びた。シネマコンプレックス(複合映画館)の稼働率も高水準で利益を押し上げた。
東宝の純利益は前年同期比24%増の294億円、売上高は7%増の2011億円だった。「天気の子」は興行収入140億円を超えるヒットとなった。「記憶にございません!」など制作と配給に関わった作品が好調だった。
シネコンは人気作の上映で稼働率が高まった。ゆったりした座席の「プレミアボックスシート」や臨場感のある映像と音を楽しめる「IMAX」など通常よりも高い料金で鑑賞する人が増えた。
松竹の純利益は58%増の22億円、売上高は10%増の737億円だった。「アラジン」などヒット作の上映で映画館の稼働率が向上した。不動産事業は賃料の引き上げで増益になった。
東宝は配当の見通しを引き上げた。年間配当は55円と従来より20円積み増した。前期は45円だった。
両社ともに20年2月期の業績見通しは据え置いた。純利益は東宝が前期比14%増の345億円、松竹は11%増の28億円を見込んでいる。