トランプ氏「緊急性どうでもよい」 司令官殺害めぐり
【ワシントン=中村亮】トランプ米大統領は13日、イランの司令官殺害の根拠をめぐり、司令官主導の米大使館攻撃計画などの「差し迫った脅威」があったかは「どうでもよい」とツイッターに書き込んだ。緊急性が低いにもかかわらず殺害を決めたとの疑念を生じさせかねない発言で、司令官殺害を自衛措置とする政権の主張をさらに揺るがしかねない。
イラン革命防衛隊精鋭「コッズ部隊」のソレイマニ司令官の殺害をめぐり、トランプ氏は議会で「差し迫ったものなのか」や「(その分析について)私のチームが一致していたのか」が議論されていると指摘。「答えはともにイエスだが、彼のひどい過去を踏まえればそんなことはどうでもよい」と主張した。
トランプ政権はソレイマニ氏が過去に多数の米兵の殺害に関与したと主張している。トランプ氏は、ソレイマニ氏が米国人や米施設に攻撃を近く実行しなかったとしても殺害を正当化できると強弁したことになる。
司令官殺害の経緯について政権の説明は迷走している。トランプ氏は司令官が4カ所の米大使館に対する攻撃計画を企てたと主張したが、エスパー国防長官は計画の決定的証拠はないと否定した。ポンペオ国務長官も司令官による攻撃計画について「正確な時期や場所はわからない」と説明していた。