日産西川前社長「また裏切られた」 ゴーン元会長会見
日産自動車の西川広人前社長兼最高経営責任者(CEO)は9日朝、同社元会長のカルロス・ゴーン被告が記者会見で日産幹部らの事件への関与を批判したことについて、「日本の裁判で有罪になる可能性が高いということで逃げたのではないか。また裏切られたという感じが強い」と述べた。
都内で記者団の取材に応じた。「(日産幹部らによる元会長の排除など)クーデターの話はいったい何を根拠に言っているのか。話を聞いてもピンとこない」と話した。そのうえで、仏ルノーの日産への影響力を取り除くために元会長を追放したのではないかという元会長の主張に関しては、「ルノーの影響を排除というよりも、意見の違いだ。それと元会長の不正の話とは全く次元が違う」と語った。
ゴーン被告は記者会見で事件に関与したとして日産の豊田正和社外取締役や、川口均元副社長など6人の実名を挙げた。
9日、都内で記者団の取材に応じた豊田氏は、ゴーン被告の批判について「法律違反をして国外に出ている方の自作自演にお付き合いするつもりはない」と述べた。豊田氏は経済産業省の出身で、18年から社外取締役を務めている。
同日、取材に応じた川口氏は自身の名前が挙がったことについて、「全く驚きはない。会社はきちんとした調査に基づいて結論を出しており、問題を糾弾したことに関して全く後悔はない。不正は不正であり、あたかも罪が捏造されて引きずり下ろされたという感覚は全くのお門違いだ」と語った。
ゴーン元会長は8日のベイルートでの会見で「まさか裏で日産が関与しているとは思わなかった。多くの日産幹部が私を追い出すのに関わっていた」と話し、西川前社長ら幹部が事件に関わったとして実名を挙げて批判していた。
日産自動車が選択を迫られている。
内田誠新社長のもと、業績をどう立て直すのか、筆頭株主である仏ルノーとの関係をどう再構築するのか。