ゴーン元会長9日聴取 拘束の可能性低いとの見方も
【ベイルート=白石透冴】レバノン国営通信は8日、保釈条件に違反して逃亡した日産自動車元会長のカルロス・ゴーン被告(65)をレバノン検察当局が9日に事情聴取すると報じた。国際刑事警察機構(ICPO)から最も緊急性の高い逮捕手配書「赤手配」を受け取ったことに基づく対応。ただ政府は元会長を擁護する姿勢で、拘束する可能性は低いとの見方がある。
同通信社は聴取の理由を「元会長から赤手配に関する証言を得るため」などと報じた。手配書に強制力はなく、執行するかはレバノン司法当局の判断に委ねられる。日本の外務省によると、アウン大統領は7日、駐レバノン大使に対し、日本に全面的な協力を惜しまないなどと語った。
9日の聴取では、検察当局は敵国とみなすイスラエルにゴーン元会長が渡航した容疑などについても質問するという。地元弁護士が告発したため、聴取内容に含めたもようだ。
元会長は8日の記者会見で渡航を認めて謝罪し「仏ルノーの最高経営責任者(CEO、当時)として、フランス人として渡航した」と釈明した。
日産自動車が選択を迫られている。
内田誠新社長のもと、業績をどう立て直すのか、筆頭株主である仏ルノーとの関係をどう再構築するのか。
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