首相「外交努力重ねる」 自衛隊派遣、変更せず
安倍晋三首相は8日、イランによるイラクの米軍基地への攻撃について「更なる事態の悪化を避けるために、あらゆる外交努力を重ねたい」と強調した。首相官邸で記者団に語った。11日から予定する中東訪問はトランプ米大統領の声明を踏まえ最終判断する。
河野太郎防衛相は8日、民間船舶の安全確保を目的とする自衛隊の中東派遣について「現時点で閣議決定の変更は考えていない」と表明した。2月に予定する護衛艦の出発は「準備が整えば想定通り送り出したい」と述べた。
護衛艦「たかなみ」を派遣するのはオマーン湾とアラビア海北部、バベルマンデブ海峡東側のアデン湾の3海域の公海だ。
立憲民主党などでつくる共同会派と共産党の国会対策委員長は8日の会談で、自衛隊の中東派遣に関する閣議決定の撤回を求めることで一致した。
立民の安住淳国対委員長は会談後、記者団に「状況が一変した。(中東地域は)戦闘状態に近い状況にまで緊張が高まっている」と指摘した。
湾岸危機が起きた1990年8月、当時の海部俊樹首相は予定していた中東5カ国の訪問を延期した。