世界のマネー 変化を探る(4) 新興国で発展する金融システム
慶応義塾大学教授 白井さゆり
新興国・途上国の現金需要の動きは先進国とは異なります。新興国は人口が増えて名目国内総生産(GDP)が大きく拡大を続けていることから、現金の取引需要が年々増えています。現金発行残高と名目GDPの増え方を比べると、多くの国でおおむね同じような動きをしています。このことから、新興国の現金発行が増えているのは主に取引需要によるもので、先進国のような資産保有目的での現金退蔵が広がっているわけではないようで...
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読みいただけます。
残り659文字
ニュースなどで注目される経済学の最新トレンドを、気鋭の学者や有識者がわかりやすく解説します。