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ロッテ・オーナー代行「佐々木朗、20年間球界トップに」

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下克上での日本一はあっても、レギュラーシーズン勝率1位でのリーグ優勝・日本一からは1974年以来遠ざかっているロッテが、163キロ右腕、佐々木朗希(岩手・大船渡高)獲得の勢いに乗り、攻勢をかけようとしている。陣頭に立ち、常に優勝を争えるチームへの脱皮を図る河合克美オーナー代行兼球団社長に、戦略と展望を聞いた。

――美馬学(前楽天)、福田秀平(前ソフトバンク)のFA選手2人を口説き落とせたわけは。

「戦力分析をするなかで、他球団と比べてここが薄い、弱いというところがはっきりし、早い段階から、どういう能力を持った選手が必要か絞られていた。監督、コーチ、球団本部で情報を共有して交渉に当たった。ただほしい、というのでなく、なぜあなたが必要か、ロッテに入ってくれたら、これだけチームが強くなる、とデータで示したので、わかりやすかったのではないか」

「あの選手がほしい、この選手がほしいといってトレードするといっても、ではうちにトレード要員がいるか、となるし、そう簡単にはいかない。FA宣言しそうな選手ははじめからわかっているわけで、そういう点では早い段階から方向性を定め、人のつながりを含めて、準備していたのがよかった」

――金銭面もさることながら、働きやすさを優先するような選手気質の変化もありそうだ。

「FA宣言するような選手には当然、いろんなチームからオファーがくるが、そのチームに行って自分が活躍できるか、出場機会をちゃんと持てるか、ということが意識にあると思う。ロッテとしてはそこを狙ったわけではないけれど、その選手をなぜほしいのか、とはっきり示すことで『そうか、確かにおれが行ったら、このチームは強くなるよな』『じゃあ、一丁活躍してやろうか』と、思ってくれたとしたら、うれしい。FA選手は自分の能力を最大限に発揮できるところを(第一に)選択しようと考えているように思う」

――昨季、前日本ハムのレアードを獲得したのはよかったが、外国人補強に課題を残した。

「そこは(むしろ)うまくいったのではないかと考えている。(大砲候補の)バルガスがなかなか日本の野球にマッチしないとなったとき、マーティンをすぐに獲得できた。日本の野球と海外の野球は違うので、レアードのような日本で実績のある選手とは違い、初めて来日する選手は合う、合わないの問題が出てくる。最初の2、3カ月でそれは割合はっきりするので、外国人補強では『次の一手』を常に用意しておくことが重要になる」

「昨年から外国人の獲得ルートを強化し、絶えず情報が入ってくるようにしたから、対応できた。マーティンは短期間のプレーだったが、シーズンに換算すれば、レアード並みのホームラン数になる。まだ若くて、肩も強いし、足も速い。特に大事なのは(契約を)今季につなげられたこと。これもスカウトの力だと思っている」

「今季はジャクソン(元広島)、ハーマン(前楽天)両投手も獲得した。どちらも日本の野球を経験しているので、日本に合うかどうかわからない、というのでなく、半歩進んだ形で人選できている。ロッテ投手陣で弱いのは平均球速が遅いところ。その点2人とも150キロ以上を投げるので、投手陣全体の底上げができる」

志・能力の高い選手をどんどん育てる

――特にパ・リーグでは150キロを投げないと、話にならないという面がある。

「(新人の)佐々木朗は160キロを投げるけれども、いきなり今年の開幕から、ビュンビュン投げてくれ、とは思っていない。ただ、3年も4年も待っているわけにはいかないので、その間、そういう選手(外国人選手ら)で手当てしていく。そうしている間に、本当に速い球を投げる日本人投手が育成されて、柱になっていくのが理想だ」

――佐々木朗の育成方針は。

「球界の至宝であって、彼には20年間、球界のトップスターでいてほしい。そのためにできることをする。(将来の舞台は)メジャーであってもいい。どこでもバリバリやって、ロッテからこういうすごい選手が育って、世界を制しているんだとなったら、こんな夢のある話はない。今はそういう時代。その決意(海外挑戦の意思)のない人だったらだめでしょう。志の高い、能力の高い選手をどんどん育てていくのが理想だ。これはきれいごとではなく、最終的にはうちの球団のプレステージの向上につながることなので」

――ポスティング(入札制度)による移籍の希望を明らかにした石川歩を球団として応援するという。戦力ダウンになりかねないが。

「目先だけを考えたらそうかもしれないが、ポスティングをしたときに、メジャーの球団がほしいと手を挙げてくれるような選手が、ロッテから出てきたら、どんなに素晴らしいことか。行きたいといっても、日本で実績を挙げなくては、はなもひっかけてくれない。本当にすごい選手になってもらうためには、それくらいの志を持ってもらわないといけないし、そういう選手は球団として、全面的にバックアップする。『行くな』なんて、そんな狭い了見ではいけない。球団は未来永劫(えいごう)続いていくわけだから、若くて才能を持った選手が次々と入ってきて、チームもサポートしていく。そうなれば、能力の高い選手はロッテに行きたい、と思うようになるのではないか。ロッテにとって、何も損はない」

五輪でスポーツブーム、「次は野球」に

――球団経営は2年連続の黒字化が見込まれ、これから攻勢を強めることになる。

「グループシートなど、付加価値の高い席から売れており、同じ観客数でも単価が上がっている。動員数も一昨年、昨年と最高記録を更新した。野球を楽しむだけでなく、グッズを目当てに来られたり、外(スタジアム外周の飲食スペース)で食べてから、球場の中でも食べたり、楽しみが広がっているようだ」

「とはいえ、まだ観客動員数は12球団最少。お客様が求めているのは(試合や選手に関する)情報ではないかと思うので、モノをあげるなどのベタなサービスではなく、スマートフォンを使った情報提供などによって、ファン層を広げ、1回来ていただいたお客さんにさらに興味を持っていただきたい。そうすれば、まだまだ観客動員を増やせる」

「今年はオリンピックがある。(通常のシーズンなら)家族で野球を見に行きたい、となる夏休みに運営できない期間ができることは、大きなリスクになりうる。一方で、スポーツブームが巻き起こることを考えると、野球界が面白い試合をしていれば『オリンピック・ロス』になった人たちが『じゃ、次は野球だな』となってくれる可能性もある。ピンチであると同時に、ものすごいチャンスになりうる。『オリンピックが終わっちゃったから、もういいや』とならないようにすることが大事だ」

(聞き手は篠山正幸)

 河合克美(かわい・かつみ) 1952年生まれ。慶大経卒。鐘紡(現クラシエホールディングス)、博報堂を経て2004年ロッテ・アドへ。ロッテホールディングス取締役となり、18年2月から千葉ロッテマリーンズ代表取締役オーナー代行。19年12月から球団社長兼務。チームの強化、営業など球団運営全般に、データを駆使した改革を推進する。

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篠山 正幸

カバージャンル

  • 野球ほかスポーツ全般

経歴

1985年東北大卒、日本経済新聞社入社。主に運動部に在籍し、プロ野球を中心に取材歴35年。本紙朝刊にコラム「逆風順風」、電子版に「勝負はこれから」を連載。著書に「プロ野球 心にしみる80の名言」(ベースボール・マガジン社)「プロ野球 平成名勝負」(日本経済新聞社)。共著、監修本に「プロ野球よ」「そこまでやるか」(ともに日本経済新聞社)など。現職は編集委員

活動実績

2021年11月17日 日経STUDYUMウェビナーで「強さの秘訣、ここにあり!野球から学ぶ組織力」と題し講演
2016年11月 テレビ北海道情報番組に出演。「日本ハムの新球場への期待」を解説

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