イラン「米同盟に警告」 作戦名「殉教者ソレイマニ」
【ドバイ=岐部秀光】イラン国営テレビは8日、イランが革命防衛隊精鋭「コッズ部隊」のソレイマニ司令官殺害への報復として、イラク中西部アンバル州にある米空軍基地を地対地ミサイルで攻撃したと報じた。これは報復の第一歩だとして、第2波の攻撃を始めたと指摘した。イランは今回の作戦を「殉教者ソレイマニ」と名付けた。
攻撃を担ったのは、イラン革命防衛隊の航空部門。革命防衛隊は声明で、攻撃がソレイマニ氏殺害への報復であると明言したうえで「テロリスト(米軍)に基地を提供している米の同盟に警告する。イランに対する敵対行為の拠点はどこも攻撃対象になる」とした。革命防衛隊はイスラエルも攻撃対象だと述べた。
イラン革命防衛隊は米軍がイランを攻撃すれば「第3波」の報復として、アラブ首長国連邦(UAE)の商業都市ドバイやイスラエルの都市ハイファを攻撃すると警告したとの情報がある。
イランのザリフ外相は8日、ツイッターで「イランは(自衛権を定めた)国連憲章第51条にもとづいて、相応の対応を取り、終了した。攻撃をくわえた基地はわれわれの市民や当局者に対する卑劣な攻撃の拠点となった。われわれは戦争のエスカレーションを求めていないが、侵略に対しては自衛する」と述べた。
イランでは7日にソレイマニ氏の埋葬儀式が執り行われ、一連の追悼行事が終了。服喪期間が明けたことで即座に報復に動いた。
同基地は2003年のイラク戦争後に米軍が利用した基地で、最近では過激派組織「イスラム国」(IS)掃討作戦の拠点にもなった。AP通信によると、およそ1500人の米兵が駐留する。