VW子会社セアトのデメオCEO辞任 ルノー次期CEO候補
【フランクフルト=深尾幸生】独フォルクスワーゲン(VW)子会社のスペイン自動車大手セアトは7日、同日付でルカ・デメオ最高経営責任者(CEO)が辞任すると発表した。デメオCEOは仏ルノーの次期CEOの有力候補とされており、就任に向けて辞任した可能性が高い。
デメオ氏が辞任を申し出て、VWグループも同意した。デメオ氏は当面グループに残る。仏経済紙レゼコーはルノーが近くデメオ氏のCEO就任を発表すると報じた。
イタリア人のデメオ氏はルノーやフィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)などでの勤務を経て2015年からセアトのトップを務める。フランス語など欧州5カ国語を操り、トヨタ自動車での勤務経験を持つ。ルノーは連合を組む日産自動車との関係立て直しが急務で、デメオ氏は日本の企業文化への知識もあることから最有力候補とされてきた。
ルノーは元会長兼CEOのカルロス・ゴーン被告が辞任した後、ティエリー・ボロレ氏が19年1月に後任となった。しかし同年10月に解任され、現在は最高財務責任者(CFO)だったクロチルド・デルボス氏が暫定CEOに就いている。
19年1月に会長に就任したジャン・ドミニク・スナール氏は19年12月の日本経済新聞のインタビューで「決定まで長く待つつもりはない」と話していた。
日産自動車が選択を迫られている。
内田誠新社長のもと、業績をどう立て直すのか、筆頭株主である仏ルノーとの関係をどう再構築するのか。