百年に一度の危機、トランプ砲が助ける習近平「崇拝」
編集委員 中沢克二
「昨年は習近平(シージンピン)にとって散々な年だった。未曽有の危機にひんする彼の地位は揺らいでいるに違いない……」。中国共産党の外にいる常識人はそう考えがちだ。しかし、それは大きな誤解である。
共産党総書記、国家主席である習近平の党内での立場はここに来て逆に強まっている。共産党は我々の常識が通用しにくい特殊なサークルなのだ。それを証明したのが昨年暮れ、中央政治局が2日間にわたって開いた重要会議の...
経済や安全保障面で米国の一極支配を打破しようとする中国の習近平政権の中枢で何が起きているのか。習国家主席による腐敗撲滅政策の狙いなどを的確に報じ、「ボーン・上田記念国際記者賞」を受賞した中沢克二・日本経済新聞編集委員(元中国総局長)が深掘りする。