ウーバー、空飛ぶタクシーで現代自動車と提携
【ラスベガス=白石武志】米ライドシェア最大手のウーバーテクノロジーズは6日、空飛ぶタクシーの開発で韓国・現代自動車と提携すると発表した。ウーバーは米ヘリコプター大手のベルなどと「eVTOL」と呼ぶ電動の垂直離着陸機の開発を進めているが、自動車大手との提携は初めて。2023年とする商用サービスの開始に向け、機材メーカー同士の競争を促す狙いだ。
デジタル技術見本市「CES」の会場で両社が記者会見し、明らかにした。現代自動車が開発を進める「パーソナル・エア・ビークル(PAV)」と呼ぶ5人乗りの垂直離着陸機を、ウーバーが米国やオーストラリアなどで商用化を表明している空のライドシェアサービス「ウーバーエア」で採用する計画だ。
現代自動車は空飛ぶタクシーの発着拠点のデザインや、地上のライドシェアサービスなどに使う電動の自動運転車のコンセプトも発表した。ウーバーで空飛ぶタクシーの開発を統括するエリック・アリソン氏は「大量生産の能力を持つ自動車メーカーとの提携によって、現在の航空宇宙産業では不可能だった速さでサービスを構築できる可能性がある」と話した。
2050年には世界の人口の7割が都市に集中するとされ、低空域を活用した新たな移動サービスが実現すれば、交通渋滞の緩和に役立つと期待されている。ウーバーは新たな成長領域として約3年前から空のライドシェアの実現に力を入れており、米ボーイング子会社のオーロラ・フライト・サイエンシズやブラジルのエンブラエルなどとeVTOLの開発を進めている。
eVTOLはヘリコプターに比べ騒音が少なく、都市部での運航に適するとされる。ウーバー陣営のほかにも、米グーグル創業者のラリー・ペイジ氏が私財を投じる米スタートアップのキティ・ホークも開発中のeVTOLの試験飛行を始めている。
世界最大のテクノロジー見本市「CES」。2024年は1月9日にアメリカ西部ラスベガスで始まり、ソニーやサムスンなどIT関連企業が出展しました。最新ニュースをまとめました。