片倉兼太郎氏(初代) バブルに酔わなかった
片倉製糸の始祖・初代片倉兼太郎が製糸産業の将来性に着目、農業をやめて製糸専業にかじを切るのは明治6年ころのことだ。以来度重なる不況に直面しながらも、そのつど立ち上がって片倉王国を築き上げていく。「現代富豪奮闘成功録」(岩崎錦城著)をのぞいてみる。
「明治14年には製糸の相場が著しく下落した。原料を高く買って糸は安いと来たからたまらない。翁もこれまでもうけた利益を残らず吐き出してしまった。けれど生来不...
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