米軍がイラン司令官殺害 トランプ氏、選挙へ強硬姿勢
【ドバイ=岐部秀光、ワシントン=中村亮】米軍がイラクの首都バグダッドで踏み切ったイランのソレイマニ司令官の暗殺は、対立する両国間の緊張を高めた。2018年5月にイラン核合意から離脱したのに続く、トランプ大統領による単独行動主義的な動きといえる。「米国民を守るため」と説明する今回の攻撃の結果、米イラン間の仲介を模索する欧州や日本の外交は一段と難しくなるのは必至。偶発的な衝突によって制御不能の混乱に陥るリスクが高まる恐れがある。
ポンペオ国務長官は3日、複数の米メディアとのインタビューで、今回の軍事行動は米国民を危険にさらす「差し迫った攻撃」をくい止めるのが狙いだったと説明した。トランプ大統領も同日、殺害されたソレイマニ司令官が「多くの(米国人)殺害を計画していた」とツイッターで語った。
一方、イランの指導部は同国革命防衛隊の精鋭組織「コッズ部隊」の司令官殺害を受け、米国に報復措置をとる構えをみせている。緊張の高まりを受け、トランプ政権は米兵3500人程度を中東地域に追加派遣する計画