2019年の投信、「ひふみプラス」が初の資金流出
2019年に資金流出入額が大きかった国内公募追加型株式投資信託(ETFを除く)を同12月20日時点でランキングしたところ、株式で運用するタイプが資金流出の上位に並んだ。一方、資金流入の上位には19年に話題となった「レバレッジ型」のファンドが入った。
設定から解約を差し引いた資金流出超過額(推計値)が最も大きかったのは、「新興国ハイクオリティ成長株式ファンド<愛称:未来の世界(新興国)>」だった。設定は17年12月で、販売会社はみずほ証券1社。
18年に資金流入トップだった「モビリティ・イノベーション・ファンド」は資金流出に転じ、7位にランクイン。10位の「ひふみプラス」は、12年5月の設定以来で初めて年次ベースで資金流出となりそうだ。利益確定などを目的とした解約が出たとみられる。
一方、資金流入超過額(推計値)が最も大きかったのは、「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)」だった。資金流入を受けて純資産総額(残高)も増加傾向をたどり、19年4月以降は国内公募追加型株式投信(ETFを除く)の中で最大規模を維持している。
2位は日興アセットマネジメントが18年10月から運用する「グローバル3倍3分法ファンド(1年決算型)」で、決算頻度が異なる「隔月分配型」も5位に入った。投資対象は国内外の株式と不動産投資信託(REIT)、債券。先物取引を使ってレバレッジを掛け、投資額が純資産総額の3倍相当となるように運用する。19年は他の運用会社でもこのタイプの新規設定が相次いだ。
19年12月20日時点のランキングには入らなかったが、ティー・ロウ・プライス・ジャパンが同27日に新規設定した「ティー・ロウ・プライス 米国成長株式ファンド<愛称:アメリカン・ロイヤルロード>」は当初設定額で1482億円が集まった。
(QUICK資産運用研究所 竹川睦)