米中対立の裏側 「習政権ウオッチ」まとめ読み
編集委員 中沢克二
米中の覇権争い激化、香港での空前の大規模デモ、新疆ウイグル自治区の少数民族問題、1992年以降、最悪となる中国経済の急減速……。
天安門事件からちょうど30年だった2019年は、中国指導部にとって極めて困難な年になりました。その前兆は驚くことに国家主席の習近平(シー・ジンピン)自身がとらえ、予想していたのです。1月21日には習が演説で2つの動物の名を挙げて警戒を呼びかけました。常識を覆す想定外の...
経済や安全保障面で米国の一極支配を打破しようとする中国の習近平政権の中枢で何が起きているのか。習国家主席による腐敗撲滅政策の狙いなどを的確に報じ、「ボーン・上田記念国際記者賞」を受賞した中沢克二・日本経済新聞編集委員(元中国総局長)が深掘りする。