トヨタ賃上げ「脱・一律」 労組提案、競争力確保へ
トヨタ自動車労働組合が2020年の春季労使交渉で、賃上げの新たな仕組みを提案することが明らかになった。基本給を底上げするベースアップ(ベア)の一律の引き上げをやめ、ベアに用いてきた賃上げの原資を個人の評価に応じ配分する制度を検討中だ。ベアの傾斜配分により成果重視の傾向が一段と強まる。横並びを前提としてきた製造業の賃上げ議論にも影響を与える。
トヨタ労組は26日、組合員向けサイトの広報誌で「メリハ...
賃上げは賃金水準を一律に引き上げるベースアップと、勤続年数が上がるごとに増える定期昇給からなる。2014年春季労使交渉(春闘)から政府が産業界に対し賃上げを求める「官製春闘」が始まった。産業界では正社員間でも賃金要求に差をつける「脱一律」の動きが広がる。年功序列モデルが崩れ、生産性向上のために成果や役割に応じて賃金に差をつける流れが強まり、一律での賃上げ要求の意義は薄れている。
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