トヨタ労組、脱「一律ベア」で章男社長の危機感に回答
トヨタ自動車労働組合が2020年の春季労使交渉で、新たな賃上げの仕組みを要求する。基本給を底上げするベースアップ(ベア)に用いてきた賃上げの原資を個人の評価に応じて5段階にわけて配分する制度を検討している。19年の春交渉で豊田章男社長から求められた危機感の共有に応える。(電動化などの)CASEの荒波を迎えて人材獲得競争が激化するなか、トヨタといえども変わらなければならないという現状を労使で分かち合う。
残り0.02リットルまで使い切れば、1カ月11万3818円の原価低減に――。愛知県豊田市にあるトヨタの高岡工場。現場担当者たちは、塗装工程で缶の底に残った塗料を使えるよう空気を吹き付けて吸い上げる仕組みを考案した。
「削減効果はわずかで以前なら見向きもしなかったが、稼ぐ力のある現場を目指し、みんな率先して取り組んでいる」。小野田真光・第1塗装課長は話す。トヨタ労組の組合員約6万9千人が小数点以下の無駄に対してこれほどまでに目を光らせるようになったのには理由がある。
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