千葉県知事視察、適切といえず 県、台風対応中間報告
千葉県は25日、今秋の台風・大雨災害への県の対応に関する検証作業の中間報告をまとめた。台風15号で災害対策本部設置が遅れた点に関し「台風による大規模停電や断水の経験がなく、判断できなかった」と反省。被災当日に森田健作知事が公舎で終日待機していたことには「県庁舎で迅速に情報収集や指示を出す態勢が望ましかった」との認識を示した。
9月10日に災害対策本部を設置した際、規定より少ない職員しか集めなかった理由として「電力会社から(停電が)週半ばにはかなり復旧できそうとの情報を得たことが心理的に影響した」と被害の長期化を予測できなかったと分析した。
知事が被災直後に私的な視察に出たり、私用で県内を離れたりしたことに関しては「公務外で対策本部や公舎を離れるのは適切とはいえない」と批判。今後は災害時の視察は公務として行う方針を明記した。
災害時の初動対応の改善策として、災害対策本部の設置を迅速、客観的に判断できる基準をつくる方針を示した。これまで主に大規模地震の発生を想定していた防災訓練にも風水害の要素を盛り込む。県と被災市町村とのコミュニケーションを円滑に進めるため、知事・副知事と県内首長の間にホットラインを設ける案も盛り込んだ。
中間報告は庁内のプロジェクトチームの検証をベースに、有識者による検証会議での議論を反映させた。最終報告は2019年度中をメドにまとめる予定だ。