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「パイの奪い合い、新帝国主義の状況に」佐伯啓思氏

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資本主義と民主主義双方の価値観が揺らいでいる。各国は自由競争のもと経済成長を目指してきたが、なぜほころびがでてきているのか。京都大学名誉教授で社会思想が専門の佐伯啓思氏に聞いた。

 佐伯啓思氏(さえき・けいし) 東大経済学部卒業後、東大大学院博士課程単位取得退学。滋賀大、京大大学院教授などを歴任。京大こころの未来研究センター特任教授。著書に『経済成長主義への訣別』など。

「近代社会の価値観回らず」

――今日の資本主義の問題をどう見ますか。

「約30年前に世界中が自由経済体制に変わった時、グローバル市場で利潤機会が広がり世界経済の底上げが期待された。だが成長率は傾向的に下がり、日本はここ15年成長できていない。するとただのパイの奪い合いになり、今の米中を筆頭に国家単位の競争が激しくなる。これは自由貿易体制というより新帝国主義の状況だ」

「揺らぐのは資本主義だけでない。経済発展による物質的豊かさを社会全体で享受し、多数が政治参加できる民主主義体制で、科学的な思考を持つといった近代社会の価値観の枠組みが回らなくなっている。科学は普遍的な法則を発見すべきなのに、今はどれだけ技術が応用されるかで価値が決まってしまう」

「米型経済学が支配的になり国にあった成長追えず」

――なぜ民主主義も揺らいでいるのですか。

「大多数の人の生活が底上げされれば、格差が多少あってもあまり不満は起きない。その場合は民主主義は機能する。でも経済が成長せず一部はとても金儲けしているのに自分たちの生活は良くならないとなると、とたんに民主主義は問題を膨らませてしまう。米国のトランプ大統領や欧州での極右政権の台頭による分断はその表れだ」

――世界経済が当初の期待ほど成長できていない原因をどう見ますか。

「米型経済学が世界で支配的になりすぎ、その国の経済システムにあった成長を模索できなくなったからだ。かつては周辺にケインズ派やマルクス派など多様な経済学があったのに、80年代からは市場競争主義の米国で台頭した新古典派だけが『経済学』となった。各個人が合理的に行動して自由競争をすれば効率的な市場になるという法則はどこでも通用する科学とされるが、根底にあるのは個人主義や能力主義といった米的社会の価値観に過ぎない。成長の形はひとつではない」

記者はこう見る「国ごとに成長の形を追うべき」 杉浦恵里


  限られたパイの奪い合いとなる今日の資本主義が向かう方向に、佐伯氏は「新帝国主義」という衝撃的な表現を使って危機感を表している。競争が前提となるグローバル資本主義で、各国に合った成長を模索していくことは容易ではない。
 だが国の個性を生かしたアプローチで持続的な成長を探る動きは出てきている。インドネシアでは2019年10月、配車サービス大手、ゴジェック創業者のナディム・マカリム氏が教育・文化相に就任した。
 交通インフラの整備や銀行口座の普及に課題がある同国で、ゴジェックは「国民の足」となる移動プラットフォームを作り、電子マネーを普及させた。世界有数の「デカコーン企業」(企業評価額100億ドル=約1.1兆円=を超える未上場企業)の生みの親の指揮のもと、インドネシアは社会課題を解決する人材育成を目指している。
 佐伯氏は「国内総生産(GDP)の成長率が経済のフローだとしたら、持続的な社会のために重視されるストックは自然環境や都市構造、防災など国や地域で異なる」と話す。
 国際競争下ではGDPを引き上げることに焦点が当たりがちだが、それによって得たり失ったりするストックこそが経済の本質だとする佐伯氏の指摘は、今を生きる私たちが失ってはいけない視点だ。

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