キャッシュレスよりキャッシュ・アクセス
Global Economics Trends 編集委員 太田康夫
日本では政府がキャッシュレスを推進しているが、欧米ではその弊害に関する議論が活発になっている。高齢者や地方など社会的弱者が取り残される恐れがあるためだ。カード会社などに手数料が取られ、万人に安価な決済手段を提供するという制度の根幹が揺らぎかねない面もある。政策当局の視線はキャッシュ・アクセスの確保に移りつつある。
差別禁止・弱者保護を背景に転機
「多くの地方で銀行支店が減った結果、金融システム上...