高級魚サクラマスを養殖、宮崎大発スモルト 宮崎県沖で
宮崎大学発スタートアップ、スモルト(宮崎市、上野賢社長)は漁獲量が少なく高級魚とされる「サクラマス」の養殖に向けた事業計画を発表した。宮崎銀行系などの投資ファンドから数千万円の資金を調達し、早ければ2021年春にも鮮魚の流通市場に本格出荷する。
同社は宮崎大初の学生スタートアップで、農学部の研究成果を活用した。計画では淡水で育つ河川残留型のサクラマスである宮崎県五ケ瀬町の「ヤマメ」を、冬場の12~3月に宮崎県沖の海上で養殖し、大型のサクラマスに育成する。
冬場は水温が低く、ヤマメはエサの摂取が少ないことから、大型化が難しかった。冬場でも水温が高い宮崎の海面養殖で、体重は10倍に増えるとしている。
また、低い水温を好むため、海水温が上昇する4~10月には再び淡水域に戻し、秋に採卵し受精させる仕組み。採卵される金色のイクラは、流通量が限られ、希少性が高い食材という。
資金は宮崎銀行などが出資する投資ファンドが第三者割当増資を数千万円規模で引き受けた。資金は「人件費や餌代などの運転資金に充当する」(上野社長)という。
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