レバレッジの効いたブルベア型(気になる投信用語)
投資信託に興味はあっても、専門的な用語が多くてとっつきにくい……。そんな投資初心者のために、「気になる投信用語」として、投信選びの参考になりそうな言葉の意味やデータの使い方などをわかりやすく解説する。
ブルベア型とは…
先物やオプションといったデリバティブ取引を活用し、基準となる指数などの値動きを大幅に上回る運用成果を目指す投資信託が「ブルベア型」だ。てこ(レバレッジ)の原理を効かせて取引するため「レバレッジ型」とも呼ばれる。
ブルは雄牛が角を突き上げて攻撃する姿から「上昇相場」、ベアは熊が前脚を振り下ろして攻撃する姿から「下落相場」を指す。「ブル型」は相場の上昇局面で、「ベア型」は下落局面でリターンが期待できる投信になっている。
相場次第で大きな成果も
ブルベア型は日々の変動率が基準となる指数などの値動きの数倍となるように運用するため、相場の値動きが小さかったり、投資する資金が少なかったりしても利益を狙えるのが特徴のひとつだ。
ブル型は指数と同じ方向の値動き、ベア型は逆の方向の値動きとなるように設計されている。例えば、日経平均株価の変動率の3倍を狙うブル型投信は、日経平均が1%上がれば、基準価格は3%上昇し、ベア型投信は、日経平均が1%下がると、基準価格は3%上昇する。見通し通りに相場の動きが一方向に傾くと、指数の騰落率を上回る大きな成果を手に入れることが可能だ。
ただし、倍率が高くなると、それだけ値動きも激しくなるため、想定と逆方向に相場が動いた場合、損失は拡大する。相場が上げたり下げたりを繰り返すと、投信の構造上、資産が目減りする可能性もあり、長期投資には向かないとされる。
一般的に他の投信と比べると、購入時手数料や信託報酬などのコストが高めに設定されているため、購入前に確認が必要だ。相場の読みが正しくても、売買を繰り返すと、コスト負担が大きくなる。
日経電子版で探してみよう!
ブルベア型は、日経電子版にある検索機能(マーケット→投資信託→投資信託サーチ→詳細検索)で探すことができる。「レバレッジ投資信託」の項目の「ブルベア型」で「絞り込む」を指定して検索すると一覧表示される。
「除外する」を指定すれば、ブルベア型を除くこともできる。運用の目的や期間、リスク許容度などを考慮し、自分に合った投信を選びたい。
(QUICK資産運用研究所 西本ゆき)