ファーウェイ、英国に5Gの研究拠点開設
【広州=川上尚志】中国通信機器最大手の華為技術(ファーウェイ)は16日、英国で次世代通信規格「5G」の研究開発拠点を開いた。現地企業との研究開発を推進し消費者に5Gを活用したサービスも体験してもらう。英国では5G通信網にファーウェイ製品の導入を認めるか議論が続いており、地元企業との連携を訴える狙いがある。
新設の「5Gイノベーション・体験センター」はロンドン市内にあり、高速で遅延も少ない5Gの特性を生かしたネットゲームや遠隔医療などの取り組みの事例を紹介する。ファーウェイ英国法人の王生牛・最高経営責任者(CEO)は16日に発表した声明で「英国の企業や技術者との協力を推進し、5Gがビジネス分野などで大きな潜在力を持っていることを示したい」と述べた。
ファーウェイは10月にスイスでも5Gに関する研究開発拠点を開き、現地の通信会社などと関連技術の研究に乗り出している。英国でも同じように地元企業との連携を深める。
ファーウェイはこれまでに世界の60以上の通信会社と5Gの商用化に関する契約を結んでおり、このうち約半分が欧州企業とされる。英国では大手ボーダフォン・グループが7月に始めた5Gの通信網の一部にファーウェイ製品を使っている。
ただ米政府は安全保障上の懸念があるとして5Gの通信網からファーウェイの通信機器を排除するよう同盟国などに呼びかけている。英国でもファーウェイ製品の採用の是非について議論が続いており、政府は明確な判断をまだ下していない。
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