中国、南京で追悼式典 習氏ら最高幹部は出席せず
【南京(中国江蘇省)=松田直樹】中国は旧日本軍の南京占領から82年となる13日、南京市内の「南京大虐殺記念館」で犠牲者の追悼式典を開いた。2014年に「国家レベル」に式典を格上げして以降、6回目の開催となったが、習近平(シー・ジンピン)国家主席ら最高指導部のメンバーは姿を見せなかった。
式典には中国共産党中央宣伝部の黄坤明部長がが出席し「日本が起こした戦争が、中国人民に大きな犠牲をもたらしたという歴史は変わらない。事件を忘れてはいけない」と述べた。一方で「新しい時代を迎えるなか、中国と日本はお互いに努力しながら友好的な関係を築いていく」と強調し、日本に対して一定の配慮を示した。
17年の式典は事件から節目の80年目ということもあり習氏が出席したが、18年に続いて今年も姿を見せなかった。20年春には習氏の訪日が予定されており、改善する日中関係を考慮したとみられる。王岐山(ワン・チーシャン)国家副主席は今月6日に北京で北村滋国家安全保障局長と会談し、「習国家主席は原則的に来年春に日本を国賓訪問する」と明かしている。