イオンリテール、恵方巻きの予約2週間拡大 食品廃棄率を半分以下へ
ハーフサイズを充実、予約構成比を倍増計画
イオンリテールは12日、2020年に販売する恵方巻きの概要を発表した。高まる健康志向を背景に糖質30%オフの恵方巻きなどを販売。一度に複数の商品を楽しめるよう「ハーフサイズ」も充実させた。今回は予約期間を約2週間延ばすことで、予約構成比を前回の2倍にする計画。早めの予約で5%値引く施策も実施し、問題となっている食品廃棄率を半分以下に減らす方針だ。
イオンリテールは20年2月1~3日、本州や四国で展開する総合スーパー(GMS)の約400店舗で最大22種類の恵方巻きを売り出す。予約限定商品も4種類取り扱う。価格は税別378~1800円としている。
今回は定番品に加え、新たに7種類を販売する。健康に対する意識が高まる中、糖質の少ない「マンナンヒカリ」をシャリに使い、糖質の量を3割削減した商品を用意。黒毛和牛の恵方巻きや、9年連続でミシュラン三つ星店の銀座「鮨よしたけ」が監修した商品もある。
食べきりサイズとして通常の半分の長さの商品も強化する。予約可能なハーフサイズの商品数は19年より10種類多い13種類に増やし、一度に3~4種類食べたいとの消費者の要望に対応する。
販売手法では予約の開始日を12月13日と、18年より約2週間前倒しする。予約終了日は20年1月29日と変えないため、予約期間を約2週間延ばす形だ。併せて、20年1月10日までに予約すると、予約価格からさらに5%を割り引く「早得価格」を初めて実施する。
デリカ商品部の鈴木雅光氏はその狙いとして、「全体に占める予約構成比を35%と前年の約2倍に高める」と説明する。確実な販売本数を事前に確保し、店頭では当日の売れ行きを見ながら生産し、廃棄に回る食品ロスを減らす考えだ。
2月3日の節分向けの恵方巻き市場は年々伸びており、近年は食品スーパーやコンビニエンスストアなどが相次ぎ販売している。一方で、需要を上回る供給で捨てられる食品ロスが問題となっている。
親会社のイオンは食品廃棄物の削減を進めるため、キユーピーなど主要な取引先21社と連携する取り組みも始める予定だ。店内で生まれる食品廃棄物について自社で対応を進め、持続可能な事業運営を目指す。