五輪単代表、石川か平野か 卓球グランドファイナル
【鄭州(中国)=鱸正人】卓球のワールドツアー成績上位者が出場するグランドファイナルが12日、中国・鄭州で開幕する。東京五輪シングルスの日本代表争いの最終戦で、男女とも残るは1枠。激戦の女子は直前に石川佳純(全農)が平野美宇(日本生命)を逆転し、1勝分のアドバンテージをもって大一番に挑む。石川が3大会連続出場を決めるか、平野が再逆転で初出場をつかむか。12日夜の互いの初戦がいきなり山場になる。
今年1月に始まり、最後までもつれた選考レース。今大会で2人が勝ち抜くための条件は明瞭だ。シングルスの成績で、石川が平野を上回るか同じなら石川で、平野が再逆転するには石川より1試合多く勝ち上がる必要がある。組み合わせ抽選の結果、石川は今年の世界選手権覇者の劉詩●(あめかんむりに文)(中国)、平野が世界ランキング18位の王芸迪(同)との対戦が決まった。
石川は劉に対して過去11戦全敗。厳しいドローとなったが、表情は暗くない。持ち味の正確なラリーに加え、ここに来て要所でのドライブの精度が向上。直前のカナダでの国際大会決勝では平野を下しており、11日夜の会場練習後には「勝ち切れて自信になった。(劉は)本当に強い相手なので力を全て出したい」と話した。初戦で難敵を倒し、自力で五輪切符を引き寄せたいところだ。
平野の世界ランクは11位。王は格下とはいえ、10月の国際大会では完敗した。最近は重圧から本来の力を出せない試合もあるが、11日の練習後「カナダで負けたので思い切ってできる。(組み合わせを見て)チャンスがなくはないと思う」と自らに言い聞かせるように話した。
男子は2番手を争う丹羽孝希(スヴェンソン)と水谷隼(木下グループ)のうち、追う立場の水谷のみが出場。水谷が丹羽を逆転するには2勝しての4強入りが必要で、13日の初戦で世界6位のウーゴ・カルデラノ(ブラジル)と対戦する。
シングルスでの五輪出場が確実な張本智和(木下グループ)、伊藤美誠(スターツ)も13日にシングルスの初戦を迎える。五輪でも対戦が濃厚の世界のトップ選手を相手に張本は大会2連覇、伊藤は初優勝を目指す。