サウジが2020年予算を発表 石油価格の低迷で赤字拡大
【リヤド=岐部秀光】サウジアラビアは9日夜、2020年の予算を発表した。歳出規模は1兆200億リヤル(約30兆6000億円)で、前年(1兆480億リヤル)比ほぼ横ばいとなる。財政赤字は1870億リヤルで国内総生産(GDP)のおよそ6.4%。19年の4.7%から悪化する。
サルマン国王はテレビ演説で、息子のムハンマド皇太子が旗振り役となっている「脱石油」の構造改革を進める立場を強調した。政府は10日の投資家やアナリスト向けの説明会で詳細を説明する見通しだ。
サウジは20年の実質GDP成長率を2.3%とした。18年の2.2%、19年の0.9%に続き、低空飛行が続く。人口が急増するサウジでは若者の雇用づくりが急務となっている。
石油価格の低迷を背景に石油の販売収入は、19年の6020億ドル(約65兆円)から5130億ドルに減る。これから逆算して得られる想定石油価格を市場では1バレル62~63ドルとみている。石油収入は歳入の3分の1以上を占める。
サウジが経済改革の目玉としてきた国営石油会社サウジアラムコの新規株式公開(IPO)は、計画していた規模を縮小して12月にようやく実現した。12月11日に国内証券取引所タダウルで取引が始まる。
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