首相「改憲、必ず私の手で」 原案策定を加速
安倍晋三首相は9日夜、国会閉幕を受けて記者会見し「国のかたちに関わる大改革に挑戦し、新たな国づくりを力強く進めていく。その先に憲法改正がある」と述べた。「決してたやすい道ではないが、必ずや私の手でなし遂げていきたい」と決意を示した。
臨時国会では改憲手続きを定めた国民投票法の改正案を採決するまで至らなかった。首相は「来る通常国会の憲法審査会の場で、与野党の枠を超えた活発な議論を通じ、令和の時代にふさわしい改憲原案の策定を加速したい」と訴えた。
全世代型社会保障改革について「人生100年時代の到来をチャンスとして前向きにとらえながら、働き方の変化を中心に据えて、年金、医療、介護、社会保障全般にわたる改革を進める」と意欲を示した。「現役世代の負担上昇を抑えながら、すべての世代が安心できる社会保障制度を構想したい」と話した。
経済対策の策定を踏まえ「安心と成長の未来を切り開く」と強調した。「海外発の下方リスクにしっかりと備える必要がある」と説明した。国会承認された日米貿易協定については「まさに国益にかなう結果が得られた」と評価した。「この機を生かし、海外への新しい市場へのチャレンジを力強く後押しする」と語った。
イランのロウハニ大統領の来日を調整していることも明らかにし「粘り強く対話を行うことで緊張緩和や情勢の安定化に向けて可能な限りの外交努力を尽くしていきたい」と述べた。「日本ならではのかじ取りが国際社会からも求められている」と理解を求めた。
衆院解散・総選挙について問われ「国民の信を問うべきときがきたと考えれば、解散・総選挙を断行することに躊躇(ちゅうちょ)はない」と答えた。