松尾鶴男氏 堂島本拠に大陸目指す
松尾鶴男がコメの町大阪堂島に米穀仲買としてカムバックするのは大正12年秋のことだ。新しい看板を掲げ、店の一隅には机を置き、悠然と構えた姿は貴族院議員のような雰囲気が漂っていたという。
「もう表面に打って出ようなどという野心はありません。こうやって堂島村の一隅に気楽な晩生を送りたいと思いまして」などと言いながら悠然と構えていた。だがマスコミは「老来再挙の勇を示す松尾さん」と一波乱期待するような書きっぷ...
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