ルネサス、セキュリティー高めたIoT向けマイコン
ルネサスエレクトロニクスは、Bluetooth 5.0対応の無線通信回路を備える32ビットマイコン「RX23W」を発売すると4日発表した。家電製品やヘルスケア機器、スポーツ・フィットネス機器といったあらゆるモノがネットにつながるIoT機器向けだ。
同社IoTプラットフォーム事業部プロダクトマーケティング担当バイスプレジデントのダリル・クー氏は、「Bluetooth 5.0を搭載したICは目新しくないかもしれないが、当社はBluetooth通信を使う際のセキュリティー強化とプライバシー保護を重視して、新製品を開発した」という。
例えば、独自のセキュリティー機能「TSIP」として、アクセスマネジメント回路、AES(次世代暗号化標準)対応の暗号化アクセラレーター、真の乱数発生回路、ハッシュ関数、ユニークIDなどを備える。システム制御とセキュアーなBluetooth無線通信を1チップで実現できるため、IoT機器の開発が容易になるとする。
RX23WのCPU(中央演算処理装置)はルネサス独自の32ビットCISCコア「RXv2」で、その動作周波数は最大54メガヘルツ。Bluetooth 5.0 Low Energyに準拠した無線周波(RF)トランシーバーとリンク層の機能を集積する。これでロングレンジ(400メートル)やメッシュネットワーク、毎秒2メガビットの高スループットなど、Bluetooth 5.0の全機能をサポートできるという。
(日経 xTECH 小島郁太郎)
[日経 xTECH 2019年12月5日掲載]
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