「米政府調達は客観性欠く」 Amazon幹部が批判
【ラスベガス=奥平和行】米アマゾン・ドット・コムが米国防総省の情報システムの受注を逃したことに関連し、選定の過程が公正でなかったと反発を強めている。同社幹部が4日に米ラスベガスで記者会見し、「特定企業やその経営者をあからさまに見下す大統領がおり、政府機関による客観的な判断を困難にしている」などと述べた。
アマゾン傘下でクラウドコンピューティングサービスを手がける米アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)のアンディ・ジャシー最高経営責任者(CEO)が語った。
同社は国防総省の「JEDI」と呼ぶクラウドを活用した情報システムの受注を目指していたが、10月に米マイクロソフトへの発注が決まった。会見でジャシー氏は「多くの顧客企業は当社の技術は(競合他社の)数年先を行っていると話しており、政治的な干渉があったことは明らかだ」と主張した。
アマゾンは2006年にクラウド事業を始め、約40%の世界シェアを握る最大手だ。JEDIでも同社の受注が有力視されていたが、マイクロソフトに競り負けた。失注について、アマゾンのジェフ・ベゾスCEOがトランプ米大統領に批判的な米紙ワシントン・ポストのオーナーであることを関連付ける見方が出ていた。
アマゾン側は国防総省の決定を不服として11月下旬、米政府を提訴している。ジェシー氏は政治的な干渉を裏付ける証拠について係争中であることを理由に言及を避けたが、各社の提案内容は「よく知っている」と述べた。また、「国家安全保障やその技術基盤の近代化という重要な決断が客観的になされないのは非常に危険だ」と話した。
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