米大統領選、ハリス上院議員が撤退 支持伸び悩み
【ワシントン=永沢毅】2020年米大統領選に向けた民主党の候補指名争いでカマラ・ハリス上院議員(55)は3日、撤退を表明した。経歴などから「女性版オバマ」との異名を持ち有力候補の1人と目されていたが、支持が伸び悩み資金集めが難航していた。民主の候補者はこれで15人になった。
ハリス氏は声明で「活動を続けるのに必要な財源がなくなった」と説明した。同氏はカリフォルニア州司法長官を経て同州の上院選で16年に初当選。ジャマイカ系の父とインド系の母を持つ女性で、トランプ政権の移民政策や女性蔑視の言動を舌鋒(ぜっぽう)鋭く追及し頭角を現した。黒人の血を引き、法曹界出身で上院1期目ながら大統領をめざす点がオバマ前大統領と共通していた。
ハリス氏は6月のテレビ討論会で人種差別問題を巡ってバイデン前副大統領をやりこめ、支持率は一時、同氏に迫る2位に浮上した。ただ、国民皆保険を巡る発言が迷走するなど政策スタンスに曖昧な点が目立ち、バイデン氏ら中道・穏健派とウォーレン上院議員らリベラル派の争いが先鋭化する中で存在感が埋没した。米メディアによると、陣営内の主導権争いも影を落とした。
直近の支持率は6位で3%台にとどまり、上位グループに水をあけられている。11月下旬に出馬表明したばかりのブルームバーグ元ニューヨーク市長も下回っており、今後も支持を広げるのは難しいと判断した。
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