ドバイ原油が下落 協調減産延長に不透明感
原油でアジア指標となる中東産ドバイ原油のスポット価格が下落した。石油輸出国機構(OPEC)にロシアなど非加盟産油国を加えた「OPECプラス」の協調減産の延長協議に不透明感が強まり、需給緩和への警戒感が広がった。
取引の中心となる2月渡しは2日、1バレル60.70ドル前後と前週末(1月渡し)から4%弱下がった。東京商品取引所の先物価格(中心限月)も同日の清算値が1キロリットル3万9210円で、前週末比3%近く値下がりした。
11月29日にロシアのノワク・エネルギー相が来年3月を期限とするOPECプラスの協調減産について「延長するかどうかの判断は来年4月が近づいてからでよい」と発言したと伝わった。当初は今週5~6日の会合で6月末までの減産延長を決めるとの見方が出ていた。決定の先送りで減産強化の議論が後退し、原油需給の緩みが意識された。
米中対立も引き続き重荷になった。米国で「香港人権・民主主義法」が成立し、両国の関係悪化が貿易交渉に悪影響を及ぼすとの懸念が拡大。世界経済の減速が原油需要を下押しするリスクへの警戒が広がった。
週明けにはイラクのガドバン石油相がOPECプラスの減産幅について日量40万バレルの拡大に言及したと伝わった。中国の景況感改善を好感した買い戻しも入り、ニューヨーク市場の時間外取引では日本時間2日午後時点で前週末より高値で推移している。