川崎汽船 船舶向けLNG供給事業 シンガポールで
川崎汽船は28日、シンガポールで同国では初となる船を使った船舶用液化天然ガス(LNG)の供給事業を2020年9月以降に始めると発表した。現地で燃料供給事業を手掛けるFueLNG社(シンガポール)と業務提携し、同社が建造中の専用船を使う。LNGは今後、重油に代わる船舶燃料として注目されており、世界最大の船舶燃料供給港であるシンガポール港の需要を取り込みたい考えだ。
船へのLNG供給は現在、タンクを載せた車両を使う方式が一般的だが、1車両あたりの容量は40立方メートル程度と大型船に必要な量を運ぶことが難しい。一方、今回投入する専用船は7500立方メートルの積載が可能で、LNG燃料を使う大型自動車船換算で約3回分の補給が可能だ。川崎汽船は専用船の運用を担う。
国連の専門機関の国際海事機関(IMO)は50年までに世界の船が出す二酸化炭素(CO2)を08年比で半減させることを目指す。LNGは現在主流の重油に比べて排出量が2~3割削減できることから、今後新造される商船はLNG燃料船の採用が増えるとみられている。
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