バチカンと中国の接近 教皇に期待する理由
本社コメンテーター 秋田浩之
核廃絶や平和の祈りをささげたローマ教皇(法王)フランシスコが11月26日、日本を後にした。
日本だけでなく、中国にも行くのではないか……。来日計画が浮上した昨年秋ごろ、実はこんな観測がひそかに流れた。実現していれば、歴史的な転機になったはずである。中国とバチカンは犬猿の仲で、国交もないからだ。
それもそのはずだ。中国は無神論の共産党に統治され、宗教を規制している。ウイグル族のイスラム教、チベット...
長年、外交・安全保障を取材してきた。東京を拠点に北京とワシントンの駐在経験も。国際情勢の分析、論評コラムなどで2018年度ボーン・上田記念国際記者賞。著書に「暗流 米中日外交三国志」「乱流 米中日安全保障三国志」。