首相が元患者家族と面会 ハンセン病、法施行後初
安倍晋三首相は26日、国の敗訴が確定したハンセン病元患者家族訴訟の原告・弁護団と官邸で面会した。面会は、元患者家族に最大180万円を支給することを定めた補償法の施行後初めて。
原告団副団長の黄光男さん(64)はあいさつで、施行後も差別を恐れて病歴を打ち明けていない元患者の事例を挙げ「お金をもらったから終わりではなく、これからも家族を見守っていく姿勢が大切だ」と要請した。
安倍首相が「政府としては法の施行をはじめ、ハンセン病にかかる差別と偏見の根絶に向けて政府一丸となって取り組んでいくことをお約束する」と述べると、涙をぬぐう原告の姿も見られた。
熊本地裁は6月の判決で家族の差別被害を認め、家族らに賠償するよう国に命令。7月に首相が控訴見送りを表明し、原告側も控訴せずに地裁判決が確定した。首相は原告らと面会して謝罪し、補償に向けた法整備を進める考えを示していた。
その後、超党派の国会議員グループが関連法案を作成。今月15日、元患者家族の補償法と、名誉回復を図る改正ハンセン病問題基本法が成立し、22日に施行された。
〔共同〕