国内株式型、QUICKファンドスコアで比較
長期投資にふさわしいかどうかの視点から個別の投資信託をランク付けした「QUICKファンドスコア」。QUICK資産運用研究所が算出し、日本経済新聞電子版などで公開している。主に国内の株式で運用する「国内株式型」のうち、純資産総額(残高)が大きい投信のスコアを比べてみた。
QUICKファンドスコアは、各投信を(1)リスクの適正さ(2)運用成績の安定度(3)下げ相場での抵抗力(4)リターンに見合ったコスト(5)分配金の健全度――の5項目でそれぞれ評価し、10段階で点数化した「総合スコア」を算出。点数が高いほど、分類が同じ投信の中で相対的に長期保有に向いていることを示している。
長期保有するのは運用実績が長い投信の中から選ぶのが望ましいという考えに基づいて、設定からの経過年数が長いファンドほど評価を高くしている。スコアの付与対象は、設定後3年以上(インデックス型は設定後10年以上)が経過した投信。
スコアが付いた「国内株式型」の残高上位10本は、10月末時点のスコアが6~10のファンドが多かった(図表1)。個別に見ると、好成績のファンドほどスコアが高いというわけではないことが分かる。ファンドスコアは運用成績だけでなく、長期投資に向いているかどうかを多角的に評価しているからだ。
具体的に個別の総合スコアを見てみると、残高1位の「ひふみプラス」は8(図表2)。スコア算出のもととなる5項目の中では、「下値抵抗力」のスコアが低かった。
残高5位の「MHAM株式インデックスファンド225」は最高の10。各項目ともスコアが全般的に高かった。
残高10位の「日本株アルファ・カルテット(毎月分配型)」は最低評価の1。どの項目も総じてスコアが低かった。残高上位10本のうち唯一の毎月分配型で「分配金健全度」の項目が低く、商品設計が複雑なゆえに「リスク」と「コスト」のスコアも他ファンドと比べ大きく見劣りした。
(QUICK資産運用研究所 西本ゆき)