「パラ支援、レガシーに」 杉山・三菱電機社長
第6回日経2020フォーラム
日本経済新聞社は19日、2020年東京五輪・パラリンピックを機に、障害者や高齢者が活躍できる社会にしていく際の企業の役割を考える「第6回日経2020フォーラム」を東京・大手町の日経ホールで開いた。三菱電機の杉山武史社長は講演で、障害者スポーツ支援などを通じ「(選手らが)何を求めているか心を寄せる姿勢を業務に生かす」と強調。「20年以降のレガシー(企業遺産)として残したい」と述べた。
今回は「パラリンピックから見える共生社会のビジョン」がテーマで、三菱電機の杉山社長と清水建設の井上和幸社長が基調講演をした。パネル討論では野村ホールディングスの池田肇執行役員、日本パラバレーボール協会代表理事の真野嘉久氏、UUUMの鎌田和樹社長兼最高経営責任者(CEO)、日本財団パラリンピックサポートセンター推進戦略部プロジェクトマネージャーのマセソン美季氏が参加した。
三菱電機の杉山社長は「共生社会の実現に向けた私たちの取り組み」と題して講演した。「一見、不可能なことも考え方や見方をかえれば解決の糸口をみつけられる。パラからの学びとして大切にしたい」と話した。
清水建設の井上社長は「シミズによるインクルーシブな社会の実現」と題し講演。「これまでのように単に美しい、立派なものを建設すれば良いというわけではない」との見解を示した。そのうえで「全ての人々が暮らしやすい街並みをつくりたい」と述べ、包摂的な社会を目指すとした。
パネル討論では共生社会を巡り「使う施設が障害者、健常者と分かれているのを変えないといけない」(真野氏)、「パラの成功は障害者との接し方が変わること」(マセソン氏)、「(障害者との)触れ合いのサポートが重要」(池田氏)といった意見が出た。
UUUMの鎌田社長は同社所属の「ユーチューバー」らがパラスポーツを体験する動画配信を紹介し、「子供に知ってもらう導入がユーチューブでもいい」と述べた。