巨頭会談から始まったパ・リーグ改革
プロ野球動かしたテック族・番外編(2)
ドイツテレコムからやってきて千葉ロッテマリーンズを改革した荒木重雄は、その日に感じた重圧を今も鮮明に覚えている。2007年初めのことだ。場所は房総半島のほぼ真ん中の森の中にあるロッテ皆吉台カントリー倶楽部。「よく考えればスーツ姿でゴルフ場に来るのは、これが初めてだな」。そんなことを考えながら、個室で一行を待ち構えていた。
孫、三木谷、重光、大社…
ラウンドを終え、風呂で汗を流した一行がやってきた...
戦後に国民的娯楽の地位を築いたプロ野球は15年前、存亡の危機にあった。近鉄・オリックスの合併構想を機に噴出した球団再編運動。2004年、選手たちによる史上初のストライキを機に、球界は勃興し始めていたネット産業の起業家たちと出会う。リーマンショックの4年前、マネーがあふれユーフォリア(陶酔)という言葉を耳にすることが増えたころの話だ。テックの旗手たちはいかにプロ野球を動かし、今の再生へとつなげたのか。 (この連載は本編10回、番外編3回で構成します)
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