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ラグビーのプロ化、「言語」の違いを乗り越えろ

FIFAコンサルタント 杉原海太

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ワールドカップ(W杯)開催が成功裏に終わり、追い風が吹く日本のラグビー界。次の大きなテーマは国内で頂点に位置するトップリーグのプロ化になるようだ。W杯の成功とどうリンクさせ、装いを新たにするのか。にわかラグビーファンならずとも気になるところである。

日本に国際的なラグビーリーグをつくる。なんと素晴らしい構想だろう。

乱暴にいうと、今のラグビー界は、1990年代前半のグローバル化する前のサッカー界と状況が似ている。当時のサッカー界は今のようにヒエラルキーが固まった世界ではなかった。それが今は巨大なテレビマネーをバックに、欧州中心に強いクラブには選手もカネも集まり、富めるクラブはより富んでいく構造になっている。勝ち組のリーグ、クラブがはっきりし、そこを軸にヒトもモノもカネも循環する。下部構造に組み込まれたリーグやクラブがそのサイクルを覆すのは相当難しくなっている。

サッカーの場合、さらに悩ましいのが地政学的な問題だ。歴史的経緯からして仕方ないのだろうが、各連盟は大陸ごとに分割運営され、日本のクラブが欧州のクラブと真剣勝負をしようと思ったら、クラブW杯に出るくらいしか道はない。

経済的にも地政学的にもしっかり枠組みができあがった中で、選手個人は欧州に渡ってビッグになるという夢を追える。しかし、クラブ単位で栄達の道を考えると、なかなか見えにくいというのが実情だろう。

地政学的な問題少ないラグビー

それに比べると、ラグビーはまだまだ開拓の余地がある。日本のラグビーに関わる大企業群とともにトップリーグをスケールの大きな国際的なものに衣替えしていくのは、財政面で考えても突拍子のない話と思えない。

そもそも、トップリーグには世界的な名選手が既にいる。W杯日本大会の成功で日本ラグビーのポジティブな面を内外に発信することができた今、これからさらに花も実もある選手を外国から呼べるのではないか。

地政学的にも、サッカーのように大陸ごとに縛られて身動きがとれない感じではない。またオセアニアが世界の頂点に君臨する競技はそうはないが、ラグビーの場合、ニュージーランドやオーストラリアのブランド力は絶大だ。衛星放送やストリーミングから手にする放送権料を考えても、強化の面から考えても、日本とタイムゾーンが似ているオセアニアと活発に交流ができる可能性があるのは、大きなメリットになり得る話だろう。

日本ラグビー協会は11月13日の理事会で、プロリーグ設立を検討する準備委員会の設置を決めた。同協会の清宮克幸副会長が委員長を務め、岩渕健輔専務理事ら協会理事とトップリーグ関係者らで委員会を構成し、2021年秋の開幕に合わせ、これから参入条件などを詰めていくという。

清宮副会長が7月にプロリーグの構想を明らかにした時は、年内にも具体的な計画を発表する勢いだった。個人的には、そこまで急いでやるようなことではないと思っていたので、足踏みするかのような時間があるのは悪いことではないと思っている。

私が国際サッカー連盟(FIFA)で携わった「ステークホルダーエンゲージメント」とは平たく言えば、根回しに時間をかけることである。利害関係者をできるだけ多く巻き込んで、それぞれに丁寧に説明、説得し、着地点を当事者全員で探っていく。時間はかかって遠回りに思えるけれど、議論を尽くした分、具現化の段階に入るとスピードアップできる良さがあった。

大局観持ち落としどころ探る必要

企業内スポーツだったトップリーグをプロリーグにしようとしたら、協会、チーム関係者、選手らインナーサークルの議論だけでは済まないだろう。当然、企業やオーナー、自治体・スタジアム所有者といったパブリックセクターの意向も無視できない。

企業、パブリックセクター、ラグビー関係者では考えるところ、目指すところが違って当然だろう。普段、仕事で使っている"言語"も違うと言っていいくらいだろうから、それらをどう結びつけていくかは大変な作業になる。全員の言語を理解した上で、大局観を持って落としどころを見つけていかなければならないのだから。

米国の球団と欧州のクラブでは同じプロでも経営モデルが異なるという意見を耳にするが、地域性を土台に発展してきたのはどちらも同じ。球団やクラブは地域の貴重な公共財として認知されている。日本は、JリーグとJクラブがそういう視点を持ち込んだものの、理解は十分に進んだとは言い難く、どうしても議論に余計に手間がかかってしまう。

プロリーグ推進派は「ここでやらないと二度と決められない」というくらいの不退転の覚悟なのだろう。W杯成功の勢いがある今のタイミングでプロ化の議論を一気に推し進めたい気持ちはよくわかる。それでも拙速は戒めるべきだ。急げば急ぐほど、巻き込む人は限られ、到達点はおのずと近く、低くなる。

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