福岡県と福岡市、北九州市 20年4月に宿泊税導入
総務省は15日、福岡県と福岡市、北九州市と協議していた宿泊税の新設について高市早苗総務相が同意したと発表した。3自治体は2020年4月1日から条例を施行して宿泊税を導入する。一時は課税主体を巡って県と福岡市が対立するなど曲折があったが、各自治体は新たな財源を手にする結果となった。宿泊事業者からは観光振興策を求める声があった。
宿泊税は福岡市が2万円未満で1人あたり1泊150円、2万円以上で450円を徴収する。北九州市は金額に関係なく同150円。県も北九州市と同様に200円に設定しているが、宿泊税を今後導入する自治体については100円とする。また、福岡市と北九州市は例外として50円とする。
いずれも二重課税となるが、徴収は市側が担い、50円を県に配分する。県と市が同じ地域で相互に宿泊税を導入するのは全国で初めて。小川洋知事は「北九州市、福岡市と連携し、円滑な制度の実施を図る。そのために県民や宿泊者、宿泊事業者などに税の趣旨や制度の内容を周知する」とのコメントを発表した。
福岡市の高島宗一郎市長は「貴重な財源を活用し、九州のゲートウェイ都市としての機能強化や観光・MICEの推進に取り組む」とした。北九州市は宿泊税を使い、本州との結節点として九州周遊ルートの活性化や大型会議の誘致などに注力する考え。北橋健治市長は「より快適に滞在できる取り組みなどに役立てたい」とした。
ホテルなど宿泊事業者は導入に向けて準備を進めている。近鉄・都ホテルズ(大阪市)が運営する都ホテル博多(福岡市)は、宿泊費への転嫁について「今後ホームページ上などで告知を進めていきたい」とした。税収の使い方については「観光が盛り上がるような推進策に役立ててほしい」と注文をつけた。
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