JR貨物、純利益予想8億円引き下げ 台風が影響
JR貨物は14日、2020年3月期の連結最終損益が従来予想を8億円下回り、66億円の黒字にとどまりそうだと発表した。台風19号による輸送量の減少や、トラックなどによる代替輸送でコストがかさんだ。19年3月期は西日本豪雨の影響で2億円の赤字だった。
19年4~9月期は37億円の黒字だった。前年同期は13億円の赤字。主力の鉄道事業で18年10月に実施した基本運賃の10%引き上げが浸透した。売上高は971億円と10%増えた。永田浩一常務執行役員は「(運賃引き上げの)効果が出てきている」と説明する。
ただ、事業環境は厳しい。19年4~9月期の貨物輸送実績は1444万6千トンだった。西日本豪雨があった18年同期は上回ったが、17年同期からは3%減った。荷主企業が災害をにらんだ事業継続計画(BCP)対応で、鉄道中心だった輸送手段をトラックや船などに分散させる動きが広がっている。一部には運賃引き上げを機に取引をやめた荷主もいるという。
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