中国「踏み込んだ議論」 対米協議、追加関税撤廃巡り
【北京=原田逸策】中国商務省の高峰報道官は14日の定例記者会見で、米中が発動した追加関税の撤廃について「双方が合意に達するための重要な条件だ」と繰り返した。そのうえで追加関税をどれだけ撤廃するかについて「双方は踏み込んだ議論をしているところだ」と明らかにした。
高氏は「貿易戦争は追加関税の発動で始まったから、追加関税の取り消しで終わるべきだ」と強調した。取り消しは「(米中どちらか)片方ではなく、双方にとって利益になる」とも語った。
高氏はさらに「関税をどれだけ調整するかは第1段階の合意の重要性を十分に体現すべきだ」とも述べた。関税の撤廃対象が大きければ、米国産農産物の購入など中国側の譲歩も大きくなると示唆した発言だ。
高氏は7日の記者会見では「米中は協議の進展に応じ、段階的に追加関税を撤廃することで合意した」と発言したが、トランプ米大統領は8日に「合意していない」と否定した。高氏は14日の会見では「合意」という言葉を使わなかった。
さらに7日は「追加関税を同じペース、同じ比率で撤廃するのが合意の条件」と述べたが、今回は「同じペース、同じ比率」との表現が消えた。
貿易協議で米国は中国に米国産農産物の購入を求め、中国は米国に発動済みの追加関税の撤廃を迫っており、細かな条件で折り合えば第1段階の合意にいたる。