大嘗祭、皇居で営まれる 首相ら510人参列
天皇陛下の即位に伴う代替わりの皇室行事「大嘗祭(だいじょうさい)」の中心となる儀式「大嘗宮の儀」が14日から15日にかけて、皇居・東御苑で営まれた。陛下が神前に新穀などを供え、国の安寧や五穀豊穣(ほうじょう)を即位後初めて祈られる儀式で、秋篠宮ご夫妻ら皇族方のほか、安倍晋三首相をはじめ510人が参列した。
大嘗祭は新たに即位した天皇が一代に一度だけ行う最も重要な宮中祭祀(さいし)とされる。上皇さまによって営まれた1990年11月以来、29年ぶりとなる。
「大嘗宮の儀」は新たに建設された30棟余りの建物からなる「大嘗宮」で行われた。陛下は14日午後6時半すぎから、儀式の前半に当たる「悠紀殿供饌(ゆきでんきょうせん)の儀」に臨み、同9時15分ごろ終えられた。15日午前0時半すぎからは後半の儀式「主基殿(すきでん)供饌の儀」が行われた。
殿内の様子は非公開で、宮内庁によると、陛下はコメやアワ、アワビ、昆布といった「神饌(しんせん)」を供えて御告文(おつげぶみ)を読み上げ、自らも神饌を食して祈られた。皇后さまも別の殿舎で拝礼された。
参列したのは安倍首相ら三権の長や閣僚、各省庁の事務次官ら幹部、都道府県知事、各界の代表者ら。敷地内のテントから儀式を見守った。
大嘗祭は宗教的性格を持つため、政教分離の観点から国事行為ではなく、公的な皇室行事とするとの平成時の考え方が踏襲され、費用は公費の「宮廷費」から支出された。前回は関連経費を含め総額約25億円だった。宮内庁は今回、大嘗宮の規模を2割縮小し、招待者数も約230人減らしたが、建築関連の人件費の高騰などで予算ベースでは27億円超になった。
16日と18日には陛下が参列者に酒や料理を振る舞われる「大饗(だいきょう)の儀」が催される。一連の儀式の終了後、大嘗宮は21日から12月8日まで一般公開され、その後解体される。