コマツ、ブラジル鉱山に無人ダンプ 受注額100億円
コマツは14日、鉱山向けの無人ダンプトラック運行システム「AHS」をブラジルの鉄鉱石世界最大手のヴァーレから受注したと発表した。受注額は100億円規模とみられる。無人で動く超大型ダンプトラック37台を納入し、2024年までに全台数が稼働する予定。AHSのブラジル向け出荷は初めてで、オーストラリア、チリなどに続く4カ国目となる。
AHSを導入すれば、ダンプの年間の稼働をこれまでと比べて1割(約700時間)伸ばせるという。無人化することで、ドライバー交代などの時間を減らせる。
鉱山の現場は24時間365日操業し、労働環境改善や安全性を確保するため、車両の運転を無人化するニーズが高まっている。「新興国でもAHSを積極的に導入する動きがでてきた」(マイニング事業本部の西浦泰司副本部長)
鉱山会社は投資を手控えてきたが、足元では更新需要が持ち直しつつある。AHSは米キャタピラーや日立建機なども展開している。コマツは他社と比較しても「安全性が高い」(小川啓之社長)とする先行メーカーとしての強みを生かし、導入台数を22年3月期に400台規模と現状から倍増する計画だ。