BRICS会議開幕、ブラジル大統領「取引拡大を」
【ブラジリア=外山尚之】ブラジルの首都ブラジリアで13日、ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの新興5カ国(BRICS)首脳会議が開幕した。会議を前にブラジルのボルソナロ大統領は「我々はBRICSの国々とより多くの取引をしたい」と述べ、経済交流を拡大する意向を示した。会議では新開発銀行(BRICS銀行)の業務拡大なども議論するとみられる。
会議に先立ち、各国の首脳が経済問題について討議した。中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席は米国を念頭に保護主義の台頭を世界経済の脅威だと指摘。「我々は輸入と輸出を増やす」と述べ、米国への対抗軸形成をにじませた。ロシアのプーチン大統領も「BRICSの国々は保護主義や関税に圧倒されないように働くべきだ」と歩調を合わせた。
ロイター通信は12日、BRICS銀のカマート総裁の「加盟国は徐々に拡大していくだろう」という発言を伝えた。5カ国の出資で設立されたBRICS銀は現在、各国で融資が始まっており、第三国への融資拡大も取り沙汰されている。会議ではこうしたテーマも議論されるとみられる。会議は14日に閉幕し、共同宣言を採択する予定だ。