ロシア7~9月期、1.7%成長に回復 消費は振るわず
【モスクワ=小川知世】ロシア連邦統計局は13日、7~9月の実質国内総生産(GDP)速報値が前年同期に比べて1.7%増えたと発表した。鉱工業や農業がけん引し、増加率は3四半期ぶりに1%台を回復した。ただ、消費は不振が続いており、2019年暦年でも1%程度の低成長が続く見通しだ。
経済発展省によると、企業活動がやや回復し製造業や農業が伸びた一方で、小売りや建設の伸び率は1%未満にとどまった。同省は成長率の回復は一時的で、さらなる消費の冷え込みにより10~12月は減速するとみている。
ロシア経済は19年に入って停滞感を強めていた。18年はGDP増加率が4~6月期から3四半期連続で2%を超えたが、19年は国が主導する投資事業の開始の遅れなどを背景に1~3月期から2四半期連続で1%を下回った。1~9月でも1.1%にとどまった。
世界銀行は10月に19年年間のロシアのGDP増加率の予想を1.2%から1%に引き下げた。ロシア中央銀行は「世界経済の減速を受けた外需の弱さ、投資動向の弱さ」が経済活動を抑制していると指摘。19年暦年のGDPを0.8~1.3%増と予想している。